防災特集

ライフラインがストップ!その時どうする?災害時に生活を維持するための備え

LPガスは災害時における優等生と言われています。

では実際に地震などの災害時に万一ライフラインが断絶しても生活を維持するにはどのような準備をしておけばいいでしょうか?
災害への備えとして、特に有効と思われる対策をご紹介します。

断水

飲料水の備蓄

農林水産省や消防庁のガイドラインによると、奨励される1人分の1日の飲料水の備蓄は飲料用1L+調理用2Lの合計3Lです。
これに日数と人数分を掛け合わせた数字が、飲料水の備蓄量となります。

風呂や洗濯、トイレの排水などの生活用水は含みません。

備蓄用飲料水

宅配水の定期購入

宅配水にはウォーターサーバー型とペットボトル型があり、定期購入をすることで常に飲料水の備蓄がある形になります。
この中でも特にサーバー型のミネラルウォーターが人気です。

宅配水「サンアルプス」(スナガ)

生活用水に防災井戸

風呂や洗濯・トイレの排水などの生活用水に防災井戸が注目されています。

現代のボーリング技術によって直径10cm程度の穴を掘り、ここにパイプを通し、電動ポンプを使って水を汲み上げるので水道と同じように蛇口をひねれば水が出るという仕組みになっています。
また、普通の井戸と違って停電時には手押しポンプでくみ上げることができるのが特徴です。

水が飲めるかどうかは保健所に水質検査をしてもらうといいでしょう。

防災井戸
防災井戸

ガス管の断絶

都市ガスは強い揺れの感知で供給が止まる

都市ガスのガス管はライフラインとして都市の地下に埋設されており、実際に過去の震災では多くのケースで都市ガスの供給が止まっています。

近年は各ガス会社も配管の耐震性を上げる努力をしており、リスクは軽減されつつあると言えますが、震度5以上の揺れを感知すると自動で供給がストップされるなどの安全管理がなされております。

つまりこれによりガス漏れ事故等のリスクは軽減されますが、供給は止まることになります。

さらに配管等に損傷があった場合は復旧するまで供給は止まりますので、我々はこう言ったケースに対するリスク管理が必要となります。

煮炊きはカセットコンロで

オール電化のご家庭と都市ガスのご家庭は、緊急の場合の煮炊きにカセットコンロとカセットガスを備えておいたほうがいいでしょう。

ただし、使用期限が過ぎたカセットガスは危険ですので新しいものと交換してください。

カセットコンロ

災害に強いプロパンガスはほぼ従来通り使用可能

プロパンガスのご家庭は過去の震災時でもほとんどのご家庭が従来通り使えておりました。

揺れを感知してメーターが供給を止める場合もありますが、ご家庭の配管等に問題がなければすぐに復旧いたします。
万が一配管等に損傷があった場合も、比較的早期に復旧しています。

プロパンガスは別名「蓄ガス」とも言われ、常に家庭内に燃料が備蓄されている状態にあると考えて良いのです。

また国や地方自治体もプロパンを「災害時の最後の砦」と位置づけ、避難所にもLPガスを使った発電施設や炊き出し施設が続々と導入されています。

参照サイト:「蓄ガスのススメ」

LPガス

停電

暖房

石油・ガスによる通常のファンヒーターは着火の際に電気が必要となりますので使えません。

電気の断絶時の暖房には芯式の石油ストーブ・LPガスストーブ・カセットガスストーブを用意しておくと良いでしょう。

また、自分で発電をするカセットガスファンヒーターもあります。

カセットガスファンヒーター
自分で発電をするカセットガスファンヒーター(岩谷産業)

給湯器

地震などで電気が止まるとエコキュートはもちろん、ガスや灯油の給湯器も使えません。
しかし停電ユニット対応型のガスや灯油の給湯器であれば、車のバッテリーから電気を取り、給湯器を動かすことができます。

停電ユニットに対応したリモコン及び給湯器とユニットをセットで使用する必要があります。

停電ユニット
車のバッテリーから電気を取れる停電ユニット(リンナイ)

自家発電

自家発電というとまず太陽光発電が思い浮かびますが、初期費用が高額になる・屋根に乗せた場合の家の耐震強度の問題やメンテナンスが必要となるなどのデメリットもあります。

厚さ1ミリの太陽電池モジュール

そこで注目されているのは、薄いガラスやフィルムなどにヨウ素を主原料とする材料を塗布して発電モジュールを作るペロブスカイト太陽電池です。

必ずしも太陽の方向を向ける必要が無く、室内光でも発電が可能なので場所を選びません。

原料が国内で賄えるのも強みです。

初期コストの軽減が可能、どこにでも張り付けて発電することができ、環境や建物への負荷も少なくなるため量産化が待たれます。

ペロブスカイト太陽電池
厚さ1ミリ、窓にも貼れるペロブスカイト太陽電池

LPガスの水素でクリーンに発電(エネファーム)

LPガスを使っているご家庭なら、エネファームでLPガスの主成分である水素を原料としてお湯を作りながら発電するという方法もあります。

太陽電池との組み合わせで一般家庭1軒分の電気をほぼ賄うことが可能です。

エネファームの発電原理は日本LPガス協会の動画をご参照ください

エネファーム
水素でお湯を沸かしながら発電エネファーム

LPガス発電機

LPガス発電機は非常時はもちろん、キャンプやイベント・キッチンカーや工事現場・学校・病院など、さまざまなシーンで活用されています。

ご家庭でも手軽に電気が作れるので、いざという時に一家に一台備えておきたいところです。

LPガス発電機とボンベ

通信障害

00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)

災害時にドコモ・au・ソフトバンクの携帯キャリアが垣根をこえて災害時に無料で開放するフリーWi-Fiです。
パスワードやメールアドレス登録などの認証なしで、すぐにつなぐことができます。
利用時間や回数の制限もありません。

緊急時は込み合いますので安否の確認や情報収集の方を優先し、ゲームや動画での接続は遠慮しましょう。

桐生市では公民館のフリーWi-Fiが災害時に00000JAPANに切り替わります。

フリーWi-Fiのイメージ

携帯の充電

停電時は通常の方法での充電ができませんので、ソーラーモバイルバッテリーや車のシガーソケットからUSBケーブルを使って充電する方法があります。

USBシガーソケット
USBシガーソケット